犬の僧帽弁閉鎖不全症 入院①
*術後1日目*
マンゴーの手術前の心臓と手術後の心臓のエコーの様子をパソコンで見せてもらいながら説明を受けたのですが、大きな違いにとても嬉しかったです。
画面が4回切り替わるのですが、
①手術前の弁の動き
(ケンサクが切れているので弁が綺麗に形で閉じません)
②手術前の血液の逆流
(弁の閉じが悪いため赤と青が逆流している血液です。)
③手術後の弁の動き
(手術して弁が正常の位置に戻り、綺麗にとじています)
④手術後の血液の逆流
(赤と青がチラッと見える程度で、ほとんど逆流がなくなっています)
こちらからご覧ください。
↓
③で手を合わせたように綺麗に弁が閉じているの、わかるでしょうか?
④ではほとんど赤と青の色が見られず、血液の逆流を抑えられています。
(下に行く血流が青で、上にいく血流が赤)
弁が閉じる時にあわせの部分をしっかりつくってあげるのが大事なポイントらしいです。
点と点ではなく、掌を合わせたようにしっかり面と面で。
マンゴーは、逆流はほとんどない状態になりました。
弁の端の方から僅かなものがチロリと見えるが全く問題にならないそうです。
ここから先生の説明を簡単に綴っていきます。
輸血は最小限しかしていない。
麻酔をかけてから、手術前にマンゴー自身の血を抜いて、術後に入れてる。
人工心肺にのると、自分の血を止める為に必要な凝固系という因子がなくなってしまう。
なので、人工心肺に乗る前の自身の血液か、他の子の血液を入れないと血が止まらなくなる。
マンゴーの場合は人工心肺につなぐ時に、少し血液をいれておかないと薄まりすぎてしまうので、そこにちょっとだけいれてる。
術後に自分の血を戻すという形で血を止めている。
輸血はしなきゃいけない時にはするけど、輸血自体も体の負担になる。
輸血の血球、赤血球や白血球など、他の子のを入れると、とりあえずのところはしのげても、後から問題になるケースがある。
なので、輸血量は少なくできるなら少なくしたい。
この病院の場合は自分の血を戻すというのと、
他の健康な子達の血液をとってきて、血球の成分と水っぽい成分を分離して保存している。→新鮮凍結血漿
この水っぽい成分に、血を止める為の成分がいっぱい含まれてる。
新鮮凍結血漿を入れてる。
ほとんどマイナスない。
マンゴーは自身の血液とこの結晶を入れてる状態。
輸血量としては、術後の他の子をからの輸血量はゼロ。
人工心肺から少しだけ入ってるだけ。
(たぶん他の子の血液からとった新鮮凍結血漿のことだと思います。)
輸血の悪影響は最小限ですんでる。
今は脱水気味なので、イオンバランスが崩れているが、水を飲めば元に戻る。
1番気を付けないといけない術後の合併症は
血栓。
PLTという血小板の値、これが血栓のもとになるもの。
これが下がると体のどこかに血栓ができていたりする。
手術がうまくいったのに、術後の合併症で亡くなってしまう子というのは、ほとんどの場合が血小板がすごい低い子。
下がったらアウトではなく、そこからリカバリーできる子もいっぱいいるが、これがあがることが、退院のひとつの条件。
手術受けると絶対下がるもの。
(マンゴーのこの時点での数値は143000)
↓
術後しっかり血を止めて、輸血量も少ない子だとこれくらい。マシな方。
ピークで下がるのは明日。
これをしっかり見ていく。
上がっても下がることがある。
これがしっかりキープできるのが大事なポイント。
体の中の炎症反応
強い炎症反応を起こしている時にあがる数値。
機械の測定エラーででなかったが、たぶん今日10を超えてる、通常は1以下。
今日明日がピークで下がっていけば大丈夫。
白血球、体のばい菌をやつける兵隊、これが増員されているとうことは感染を疑う。
(マンゴーはこの時点で26000)
手術をするともちろんあがる。
これが中々下がらないと感染を疑って抗生剤を変更したりする。
ヘモグロビン
血液の濃さ。
マンゴーは脱水気味もあって現状は血が濃い。
人工心肺で血が痛めつけられているので、これが体の中でどんどん処理されていく。
なので、明日明後日でドンッと下がっていく。
軽い貧血になって、そこで止まってまたゆっくりあがっていく。
これが回復するのは結構時間がかかる。
1週間じゃ多分回復しない。
中にはどんどん下がっていく子もいる。
そうなるとせっかく輸血しなくて手術終わったのに、追加的にしなきゃいけなくなるケースもあるので、この貧血の値もみていく。
こういった値がある程度回復して、飲み薬でキープできるとなったら退院できる。
今のところはとても順調。
今日はお水も立って飲んでいて元気。
今日(手術翌日)の夕方からご飯あげはじめるが、だいたい8割の子が明日から食べはじめる。
出すけど食べない。
早い子は今日から食べる。
(マンゴーは食べました)
次のステップはこの数値が回復すること、ご飯を今日か明日食べてもらうこと。
以上が術後1日目の説明でした。
これからの課題は合併症です。
術後1日目のマンゴーの様子です。
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